1年ぶりのインドはデリーの街です。
相変わらず野良牛をよく見かけます。
ヒンズー教のこの街では、牛を殺すことは僧侶を殺すことと同罪にあたります。
もし、車で目の前に牛と人が現れたら、人をひく方を選ぶという本当にありえそうなジョークがあるくらいです。
もちろんビーフカレーなどありません。
マクドナルドもありますが、ビーフのパテはありません。
よってビックマックもないわけです。
そのかわりベジタルブルバーガーという肉なしのカレーコロッケのような物が一般的です。
さて、インドを旅するほとんどの人がデリーは通過地点と考えているのに、どうしてまたデリーに滞在するのか。
ひとつは今、連載している美容雑誌で最初に書いたエッセイがデリーでした。
その時、デリーのカリスマ美容師の話を聞いて、探しに来たのです。
しかし、街で聞くと、みんな知っていると言いながら、カリスマ美容師というよりカリスマ詐欺師のような人ばかり紹介され、結局、たどり着きませんでした。
時間が経ち、もう一度、探してみたくなったのです。
そして、WEBで連載させていただいている演劇誌の最初のエッセイもデリーが最初でした。
演劇を観たかったのですが、これまた、いつも劇場の前に座っているおじさんの
「明日はやる!」
という嘘の情報で毎日、通ったのですが、結局、観光向けの伝統的なインド舞踊しか観られませんでした。
劇場の前に座っていたおじさんは劇場のスタッフでもなんでもなく、暇で毎日、座っているだけのおじさんでした。
そこで今回は、ちょうどインド中の劇団が集まる演劇フェスティバルも開催中なので、どっぷりインドのお芝居に浸かってみようと思っているのです。
「バンコクにいるの?大丈夫?」
と友人からメールをいただきました。
バンコク国際空港の占拠事件から、半年も経っていないのだから仕方がないですよね。
ちょうどあの頃、タイの北部を散歩していた僕は毎日、黄色い服を着た人々に埋まっている写真が載っている新聞を眺めながら、コーヒーを飲んでいたことを思い出します。
穏やかにする色と言われる「ピンク」が象徴するように、街は穏やかな時間が流れています。
日本より一足先に、公園のベンチでアイスクリームを食べながらお花見を楽しみました。
パッと見ると桜に見えるのですが、「タイの桜」と言われるチョンプー・パンティップという花だそうです。
あまりに穏やかで曜日感覚がすっかりなくなってしまいました。
郵便局に行き、お休みであることで日曜日であることに気付くほどです。
翌日、旅中にいろいろたまってきた荷物も日本に送りました。
かわいい象の植木があるスクンビットで、ビザも無事、取得できたので、インドに向かいます。
バンコクが混乱している時期、インドのムンバイでもテロ事件がありましたが、デリーは落ち着いているとのことです。
テロと言えば、紅茶で知られるインドのアッサムで数年前、村人を震え上がらせ、射殺された巨大なインドゾウがアルカイダのビン・ラディンにちなんで「ラディン」と呼んでいたそうです。
僕には象は穏やかなイメージがあるのですが、実は、人に危害を加える象が多いのも事実です。
それでもアフリカゾウに比べれば、インドゾウは穏やかと言われてますが…。
バンコクに来ると、チャオプラヤー川の船のバスを利用することが多いです。
もちろん目的地に行く時に利用するのですが、目的もなくふらりと乗ることもあります。
ただ、車掌ならぬ船掌の方が、料金を回収する際、行先を聞いてきます。
行先が決まっていない時は、ノンタブリーという終着駅の名前を言うことにしています。
後は、川の風を浴びながら、水上の風景を楽しみます。
高い建物を見ていると、隅田川みたいだなぁと思うときがあります。
隅田川?墨田川?といつも迷ってしまいます。
京都で鴨川沿いを散歩しながら、鴨川?加茂川?賀茂川?と迷うようなものです。
京都の鴨川の場合は、同じ川でも場所によって漢字を変えるようですが…。
水上の家を見ることもできます。
船を家につけて「ただいま」という生活もいいですね。
知人の子供に「どうして、ただいまって言うの?」と聞かれ、答えられず、一緒に調べたことがあります。
子供の頃から使っていたのに、「たった今、帰りました」の略ということをそのとき初めて知りました。
こうして、様々な景色を楽しみながら、1時間くらい揺られていると終点のノンタブリー駅に到着します。
ノンタブリー駅?
特に何もありません。
時計台があるかな…。
「ピザ10回言ってみて」
「ピザ、ピザ、ピザ…」
「じゃ、ここは?」
「ひざ!」
「ブー!ひじです」
という会話を思い出しました。
「左でデコピンするの?」
「俺、左利きって知らなかった?」
「マジ?っつうかデコピン使っていいのは一本だけだぜ」
「うるさい。黙れ。負けた奴が何をぬかす」
「あれ?ひじの場所はわかったけど、ここはなんて言うの?」
「はぁ?もうそれはさっき終わったんだよ」
「いや、気になるよ。注射の時に射すところだよ」
「面倒なやつだなぁ。ひじの裏側でいいじゃん」
ってすいません。
二日続けて「ワットポー」の話で申し訳ないのですが、ここに並ぶ像にどうしても吹き出しをつけたくて…。
メタボ症候群の僕も、もう少し腹周りをスッキリさせたいと思っております。
ちなみに「ひじ」はムエタイで欠かせない攻撃技です。
ワット・ポーに三度も通っています。
マッサージが大好きな僕は、タイ式マッサージの総本山としてこの寺を知ったのですが、どうやらそれだけはなさそうです。
バンコク最古の寺院なのだそうです。
そして、この寝釈迦像の裏にはバラモン教の教えが描かれています。
あれ?バラモン教ってヒンズーじゃない?
あれ?タイって仏教国だよね?
様々なタイの歴史が、この寺に詰まっているのです。
この寺に来るたびに新しい発見があります。
この壁画も今回、初めて見つけました。
人より腸が長く、男性に珍しい便秘症の僕は、この図のへその下にあるツボが気になります。
僕が習った便秘のツボはへその上だったのですが、これはまた別のツボなんですかねぇ。
この寺で門番のように立つ銅像が大好きなんです。
髭が特徴的なんです。
中東では髭を伸ばしていないと男性じゃないと言われるほど大事なもので、ビジネスの交渉が決裂したという話を何かで読んだことがありますが、タイではどうなのでしょうね。
タイの国民的人気バンドのカラバオは伸ばしていますが、それ以外の若手俳優やミュージシャンの髭面は見たことがありません。
一番、好きなのは、この寺にある街灯なんですけどね。
いろいろな街の街灯を見てきたのですが、今のところ、これが世界で一番好きな街灯です。
陶器でできた街灯です。
タイで有名なベンジャロン陶器とは違うのですが、これはきれいですよね。
って写真を撮っていると
「あいつ何、街灯撮ってるんだ?もっと撮るもんあるだろ」
って顔で観光客の方々が僕を見ながら横を通り過ぎていきます。